ベンチャー就職日記

就職は一流大企業かコンサルファームと思っていた大学院生がベンチャーに就職するまで。

ベンチャー就職組で活躍する経営者がどれぐらいいるのか?調べてみた

そろそろ卒業式を控えた身ですので、学生最後のブログエントリーということで卒論というか修論というかの感覚で力作にトライしようと思います。

僕みたいに新卒でベンチャーに就職しようとしている人が、他の人からよく言われることの1つに、「新卒ではまず有名な大きな会社に行ってそこで経験積んでからベンチャー行けば良いんじゃないの?」とか「新卒でベンチャーに行った人で成功している人っているの?」とかいう話があります。

前者の「まず有名大手に就職してからでも遅くないのでは?」って話はわからなくもないのですが、そうしたい人はそうすれば良いし、僕みたいに有名大手に行く必要がないと考えれば行かなければ良いのではと思う次第です。

後者の「新卒ベンチャー組ってどうなの?成功している人いるの?」は僕もちょっと気になったので調べてみました。正確には、就職活動しながら、見つけてはメモってリスト化してました。

※こういうの確証バイアスって言うらしいです。ちなみに、コンサル行く友達が、コンサル出身の経営者を見つけては「あの人もこの人も!コンサル出身の経営者多すぎ!」って言っているのも完全に確証バイアスですね。

前置きはこのくらいにして、せこせことまとめたリストを公開しちゃいます。だいたいがウェブのインタビュー記事やらなにやらの公開情報をもとにしているのでだいたい間違ってないと思うのですが、間違いがあったらごめんなさい。

新卒でベンチャーに就職して活躍する人リスト

おっとその前に、ここで言うベンチャーとは?の定義をしておかないといけませんね。就活のときもグルディスとかでやたら定義したがる奴とかいましたね。僕もそのタイプでしたw

ここで言うベンチャーとは、いわゆる親とか周りの友達の大半が知っているような大企業ではなく、上場非上場問わず、成長中の成長企業のこと。規模は比較的小さい傾向で数名から数百名以下(1,000名未満)。という形で定義してみます。ちょっと広すぎじゃね?という突っ込みは一旦置いておいて。さあ、まとめます。

サイバーエージェント藤田晋社長

97年新卒のインテリジェンスですね。インテリジェンスは今でこそ大きな会社ですが、97年当時は50名から100名規模ぐらいだったと聞いたことがあります。たしかに沿革を見るかぎり、2000年4月にジャスダック上場とありますので、97年当時のインテリジェンスは上場3年前になりますので、「3年後上場目指してる未上場ベンチャー」という感じだったことになりますね。

サイバーエージェントの日高裕介取締役副社長

も同じく97年の新卒インテリジェンスで藤田さんと同期とのこと。

他にも新卒で当時の上場前のインテリジェンスに入社した人たちの中には以下のような方々もいるようです。

ビースタイルの三原邦彦代表

96年にインテリジェンスに新卒入社。

アトラエの新居佳英社長

98年にインテリジェンスに新卒入社。

キープレイヤーズ高野秀敏社長

99年にインテリジェンスに新卒入社。

ちなみに、アトラエは僕も就職活動しててGoodfindで見つけたのですが、社長以外の取締役の岡さん、梅村さんのお二人ともアトラエに新卒入社して、取締役にまでなられている(お二人とも07年卒の新卒のようですので、創業年から計算すると創業4期目とかの新卒ってことになります)

ヤフーの宮坂学社長

ヤフーの現社長の宮坂さんですが、91年に同志社大学を卒業後に、ユー・ピー・ユーという会社に新卒入社されています。こちらwikipediaには採用PRを行うベンチャーと書かれていました。その後、97年に創業2期目のヤフーに転職されたそうです。

新卒からベンチャーで大企業を経験していなくても、転職した会社が大企業になって今や時価総額3兆円超の東証一部上場企業の社長に40代で就任した例として、まさに新卒ベンチャー組の星と言って良いのではないでしょうか。

リクルートマーケティングパートナーズの山口文洋社長

下記の記事にもあるように、入社から9年でリクルートマーケティングパートナーズの社長になり、リクルートホールディングスで最年少で役員に名を連ねるとある山口さんですが、なんと!慶應卒業後にパチンコやバイトをして3年過ごした後に、ITベンチャーを経て、リクルートに中途入社した人らしいです。

ベンチャー新卒入社組よりもさらに破天荒すぎますが、1社目ITベンチャーの人が、リクルートで大活躍しているという話は、新卒ベンチャー組(高学歴フリーターも含めw)の一つのロールモデルになるのではないでしょうか。

newspicks.com

DeNA守安功社長

いま何かと話題のDeNAではありますが、創業者である南場さんから社長を引き継いだ守安社長の経歴は、98年に東大の大学院を出て、日本オラクルに新卒入社。そして99年にDeNAに転職しています。DeNAは99年創業なので創業1期目ですね。

日本オラクルって大企業でしょ?って思うじゃないですか。調べたら、98年当時のオラクルってたしかに立派な会社なのですが、店頭公開が99年、東証一部上場が2000年なのでまだ未上場企業でした。社員数もおそらく600-800名ぐらいの規模だったと聞いたことがあります。今よりずっと無名の存在だったと思います。

コロプラの馬場功淳社長

コロプラの社長も、新卒ベンチャー組です。経歴見ると、九州工業大学の博士課程中退で、03年にケイ・ラボラトリー(現・KLab)に入社。KLabは今でこそ東証一部上場ですが、2000年創業なので馬場さんは創業3-4年目のベンチャーに新卒で入ったことになりますね。

ちなみに、コロプラは面白い採用をやっていて、新卒1年目から経営企画やM&Aなどの投資の仕事、子会社設立などを任せる枠での採用がありました。(今みたら今年もやっているみたいで締切が来週でした)

そのコロプラ執行役員の緒方さんという人も、新卒ベンチャーでした。小規模のスタートアップに新卒で入って、その後ドリコムを経てコロプラという経歴とお聞きしました。

メルカリの山田進太郎社長

今をときめくメルカリの山田社長も、大企業経験なくベンチャー的なキャリアスタートとなっている模様です。99年当時の20名規模の楽天に内定していて、学生時代から出入りして働いていたようです。その後、楽天には就職せずに、フリーな感じで活動した後にウノウを起業されたとのこと。※ウェブ上の情報からの読み取りなので微妙に違っていたらすみません。

こちらのインタビューに詳細書かれていました。

当時は就職先にベンチャー企業を選ぶ学生はほとんどいなかったので、「何でそんな小さな会社へいくんだ?」と、大学の友人が一様に首をかしげていたことを今でも覚えています。

mpjob.jp

AnyPayの木村新司社長

アトランティスをグリーに売却し、グノシーの共同代表にもなっていた方ですが、最近AnyPayという決済スタートアップを立ち上げています。最近paymoという割り勘アプリがバズってましたね。こちらの木村さんの経歴は東大03年卒で新卒でドリームインキュベータです。

ドリームインキュベータは僕ら世代ですともう立派な戦略コンサルファームみたいな印象ですが、同社は2000年創業で、2002年にマザーズ上場ですので、創業3-4年目のマザーズ上場直後の新卒入社ということになります。当時の資料掘り起こしたら、上場時は社員35人と小規模な会社だったようです。

Onionの川村亮介社長

上記の木村さんの創業したアトランティスに学生時代から働き、そのまま入社した川村さんという方は、その後ビットセラーを創業し、KDDIに売却し、16年4月からOnionという会社を創業されているシリアルアントレプレナーです。

多数のスタートアップのアドバイザーを務める須田仁之さん

こちらの方、以下の記事にもあるようにすごい経歴ですよね。そんな須田さんも早稲田を96年に卒業後、新卒でイマジニアというベンチャーからスタートしています。イマジニアは今はJASDAQ上場の会社ですが、上場したのが96年7月ですので、須田さんは上場前の新卒ということになりますね。

thebridge.jp

モバイルファクトリーの宮嶌裕二社長

95年のソフトバンクに新卒入社です。ソフトバンクって大企業じゃん、と思うかもしれませんが、95年のソフトバンクってどれぐらいの規模だったかを調べてみました。ソフトバンクの古いIRとかを探っていったら、95年4月時点でおそらく600-700名規模の会社だったようです。

米国ヤフーへの出資が95年11月ですので、95年4月の新卒入社というのはかなりベンチャー就職的な感じなのではないでしょうか。

SHIFTの丹下大社長

2000年に京大の大学院を出て、インクスに新卒入社します。以下の役員経歴にもあるように、3人の部門を5年で140人の部門に拡大したところを牽引されたそうです。ちなみに、インクスは現・SOLIZEとありますが、2000年当時は創業10年目の社員100名ちょっとの会社だったようです。こちらの記事に2000年当時のインクスの記述がありました。

www.shiftinc.jp

イグニスの銭錕社長

2006年のシーエー・モバイル新卒入社です。シーエー・モバイルサイバーエージェントのグループですが、06年当時は創業から6年目の200-300名規模の成長ベンチャーだったようです。

Donutsの西村啓成社長
Donutsの根岸心取締役

以下のページにもあるようにお二人とも2004年当時のDeNAの新卒(新卒1期生)とのこと。04年当時のDeNAというと、05年2月に東証マザーズに上場するので、上場前のタイミングですし、創業が99年なので創業6年目で社員数もおそらく100名超えたぐらいの規模ではないでしょうか。

www.donuts.ne.jp

 

アカツキの塩田元規社長

2008年のDeNAに新卒入社です。08年当時のDeNAは、マザーズ上場後なので既に上場ベンチャーではあったものの、社員数は400-500名規模でまだメガベンチャーと呼ばれる前だったはずです。

LITALICOの中俣博之取締役

新卒DeNAと言えば、LITALICOの取締役の中俣さんも08年の新卒入社ですね。

LITALICOの長谷川敦弥社長

LITALICOと言えば、社長の長谷川さんも新卒ベンチャーです。08年に名古屋大学を卒業後、同年にLITALICO(当時はウイングルという名前だったようですが)に新卒入社。その翌年の8月に創業者に代わり、代表取締役社長になっています。若くしてすごいですね。 

クラウドワークスの成田修造取締役副社長兼COO

若くしてすごいと言えば、クラウドワークスの成田さんもすごいです。学生時代に起業していたようですが、その後大学4年時に創業1期目のクラウドワークスにジョインし学生ながら執行役員になり、その後、新卒入社し、その後、若くして副社長兼COOまでなられています。

クラウドワークスの佐々木翔平取締役CFO

同じくクラウドワークスのCFOの佐々木さんも明治大学在学中からアエリアで働き、そのまま新卒入社して、若くしてグループ会社の役員などもされていたそうです。先ほどの須田さんの記事の中にも佐々木さんの話が登場していました。

ガイアックス上田祐司社長

以前僕がまとめた以下の記事でも紹介したガイアックスですが、創業者の上田社長も新卒ベンチャー組でした。上田さんは97年に同志社大学を卒業して、新卒でベンチャー・リンクに入社しています。ベンチャー・リンクは12年に民事再生した会社で今はもうあれですが、86年創業で95年店頭公開した成長ベンチャーだったようです。

ventureshushoku.hatenablog.jp

ベンチャー・リンク出身というので聞いたことがあるのは、

リレーションズの長谷川博章社長

リレーションズは下記の記事にあるように、ベンチャー・リンクのメンバー8人で起業した会社とのこと。長谷川さんも関西学院大学から新卒でベンチャー・リンクのようです。

bizpow.bizocean.jp

ガイアックスの話に戻ると、新卒でガイアックスの人も結構活躍していますね。たとえば、

ピクスタの古俣大介社長

古俣さんは大学在学中の4年時にガイアックスインターンをし始めて、そのまま正社員として入社したそうです。2000年当時のガイアックスってことなので、創業2年目とかの頃ですね。本当の立ち上げ期に新卒で入社しているのはさすがですね。

ピクスタの取締役の遠藤さんも在学中にガイアックスの創業に参加してそのまま取締役CTOになっていたそうで、こちらもすごいです。

フォトシンスの河瀬航大社長

スマートロックで有名なAkerunの会社です。2011年の卒業で筑波大学から新卒でガイアックスに入社しています。

ホワイトプラスの井下孝之社長

以前僕がまとめた以下の記事でも紹介したエス・エム・エス出身者の中で、新卒入社組がホワイトプラスの井下社長です。神戸大学大学院時代に、大学院中退して新卒入社したそうです。06年当時のエス・エム・エスって設立4年目で、上場の2年前ですね。当時どうやって見つけたのか気になりますね。

ventureshushoku.hatenablog.jp

WACULの大津 裕史社長

人工知能を使ったアクセス解析ツールを開発するWACULという会社の社長はビービット出身でした。新卒で京都大学からビービットという経歴。

thebridge.jp

ザワットの原田大作社長

最近メルカリに買収されたというニュースがあったので調べてみたのですが、このザワットという会社(スマオクを運営)の社長は、2005年卒で新卒でサイバードという経歴でした。サイバードは今はMBOして非上場となっていますが、沿革を見る限り、98年創業で2000年にジャスダック上場、2003年には六本木ヒルズにオフィスを構えるイケイケなベンチャーだったようです。

jp.techcrunch.com

 

結論。新卒でベンチャーに入ってその後活躍している人はたくさんいる。

だいぶ疲れてきたので、この辺にしておきます。他にもきっとたくさんいますね!余裕あるときに追記していきたいと思います。

何が言いたかったかというと、 「新卒でベンチャーに行った人で成功している人っているの?」って言う人がたまにいるので、「結構たくさんいるよ!」と言いたかったのです。以上。